
大学入試や期末試験など、学業の成果を評価する場では、公正な試験環境が求められます。しかしながら、カンニング行為は古くから問題視されており、近年ではデジタル機器を悪用した高度な不正行為も増えています。
このようなカンニングを防ぐために、一部の大学では監視カメラの導入が進められていますが、果たしてどこまで効果があるのでしょうか?
本記事では、大学試験におけるカンニングの実態や、監視カメラの有効性、さらにはより効果的な対策について解説します。
大学受験のカンニング事件
事件名 | 手口 | 影響 |
---|---|---|
2011年 | 試験中にスマートフォンを使用し、問題をネット掲示板に投稿。外部から解答を得ようとした。 | 受験資格の剥奪・逮捕者も出た。 |
2024年 | 早稲田大学の一般入試で、18歳の男子受験生がスマートグラスを使用し、試験問題を外部に流出させた。 | 警視庁の調査により発覚し、受験生は書類送検された。 |
2025年 | 大学入学共通テストにおいて、カンニングなどの不正行為が4件確認された。 | 該当する受験生は全科目の成績が無効とされた。 |
大学試験のカンニング行為は犯罪?
よく報道されているのが、大学入学共通テストにおけるカンニング事件です。
具体的には、試験問題をスマホなどで撮影し、その撮影した画像を外部の人に送信し、回答を受け取るというもの。
有名大学などでもこのようなカンニング事件が起きています。
皆さんは、カンニングと聞くと「それほど大きなものではない!」と思っているでしょう。
しかし、「偽計業務妨害罪」という犯罪にあたる可能性があるそうです。
実際に、一橋大の外国人留学生向け入学試験の問題が流出した事件では、偽計業務妨害の疑いで逮捕者が出ています。
簡単に言えば、人をだまして業務を妨害した場合に成立する可能性があるのが、偽計業務妨害罪です。
ですから、ただのカンニングでは済まされず、最悪の場合には逮捕されてしまう可能性もあるということになります。
中国のカンニング対策はかなり厳しい
おそらく、世界で最も厳しいカンニング対策が行われているのが中国です。
具体的には、次のような対策を行っているとのこと。
もちろん、日本でも通信機器を持ち込ませないようにしていますが、ボディーチェックやモニターで監視しているところはほとんどありません。
試験官が定期的に巡回する程度というのが一般的です。
参照サイト
<「カンニング」驚愕のハイテク化実態>

監視カメラの設置はカンニングを抑制できるのか?
監視カメラの抑止効果とは?
監視カメラを試験会場に設置することで、受験生に「監視されている」という意識を持たせ、不正行為を抑制する効果が期待できます。
実際に、防犯カメラのある場所では犯罪が減少する傾向があるように、試験会場でも同様の効果が見込まれるでしょう。
また、試験監督が全員の行動を常にチェックするのは難しいですが、カメラを設置することで後から映像を確認し、不審な行動を特定することが可能になります。
監視カメラが捉えた実際の不正行為
監視カメラの導入によって、実際に不正行為が発覚したケースもあります。
例えば、中国では全国統一試験の会場に監視カメラを導入し、不正を行った受験生を映像から特定した事例があります。
また、日本国内でも、試験中に不審な動きをしていた受験生の行動を録画映像で確認し、後にカンニングが判明した例があります。
監視カメラだけでカンニングは防げるのか?
監視カメラの限界と問題点
監視カメラは抑止力として効果的ですが、以下のような限界もあります。
- 死角の問題:カメラの設置場所によっては、監視が行き届かない場所が発生する。
- 映像確認の手間:リアルタイムで監視するのは限界があり、後から映像を見直すには時間がかかる。
- プライバシーの懸念:監視されることに抵抗を感じる学生がいる可能性がある。
他の監視手段との併用が重要
監視カメラだけではカンニングを完全に防ぐのは難しいため、他の対策と組み合わせることが重要です。
例えば、試験監督による巡回を強化したり、机の配置を工夫することで、不正行為のチャンスを減らすことができます。
効果的なカンニング防止策とは?
試験官による巡回監視の重要性
試験官が積極的に会場内を巡回することで、受験生の不正行為を抑止できます。
また、不審な動きを見つけた場合、即座に対応することが可能です。
電子機器の持ち込み禁止・検査の徹底
スマートフォンやスマートウォッチを悪用したカンニングが増えているため、試験会場への持ち込みを禁止し、入場時に厳格なチェックを行うことが重要です。
不正を未然に防ぐ試験環境の工夫
座席の間隔を広げる、受験生の荷物を別の場所に置かせるなど、試験環境を工夫することでカンニングを防ぐことができます。
まとめ – 公正な試験環境のために
監視カメラの導入は、大学試験におけるカンニング抑制に一定の効果がありますが、完全に防げるわけではありません。
そのため、試験官による巡回や電子機器の持ち込み制限など、他の対策と組み合わせることが重要です。
公正な試験環境を維持するために、大学側が適切な対策を講じることが求められます。
受験生も、誠実に試験を受ける姿勢を持ち、公平な競争の場を守ることが大切です。