電車内に防犯カメラを設置することで、凶悪事件を防げるのか?現状の課題と今後の対策について

    日本では、近年電車内での凶悪事件が多発しています。
    京王線刺傷事件などを受け、電車内での防犯対策は大きく変わろうとしているのです。
    例えば、新型車両には防犯カメラの設置が義務化されますし、現在使用中の車両にも防犯カメラの設置が進んでいます。
    しかし、設置をすれば凶悪事件を防げるのかという不安も多いのが現状です。
    現状の課題と今後の対策について解説していきます。

    増加する凶悪事件によって、防犯対策が大きく変わろうとしている

    小田急線刺傷事件や京王線刺傷事件など、日本の電車内では近年、凶悪事件が多発しています。
    各鉄道会社でも、このような事件を受け、大きく防犯対策が変わろうとしているのです。
    多くの車両には、防犯カメラが設置されるようになりましたし、一部の鉄道会社では警備員を配置し巡回させています。
    さらに、鉄道会社だけでなく、国も大きく方針を変えたのです。
    今後の新車両については、防犯カメラの設置が義務付けられるようになりました。
    新しい防犯対策によって、今までも安心して利用できる、新たな凶悪事件の抑止力として期待されています。

     

    現状の課題について

    多くの鉄道会社では、車両に防犯カメラの設置を進めています。
    しかし、防犯カメラの設置をするだけで、凶悪事件の抑止力になるのかとの疑念もあるようです。

    ○ 映像で確認することはできるものの、直接犯罪を防止することができない
    ○ カメラが設置されていても凶悪犯は犯罪を実行する可能性がある
    ○ 防げる犯罪が痴漢や窃盗などの限られた犯罪となってしまう可能性がある
    ○ 防犯対策にかかる費用を誰が負担するのかなどコストの課題がある

    新たな防犯対策が、各鉄道会社では進められています。
    しかしながら、防犯カメラを設置するだけで犯罪の大きな抑止力となるのかは、疑問という声も少なくないのです。
    映像で犯罪を確認することや、不審な動きを監視することはできても、犯罪を直接止めることはできません。
    ここが、現状の大きな課題と言えるでしょう。
    また、凶悪事件を起こす犯罪者心理として、カメラが設置されているかどうかで、犯罪を止めるのかという問題もあります。
    本当に凶悪な事件を起こす犯罪者の心理からすれば、設置されているかどうかはそれほど気にしていない可能性があるのです。

    電車内で起こる、痴漢や窃盗などの事件については、犯罪の抑止力になるでしょうが、
    そのような限られた犯罪のみの抑止力となってしまう恐れもあります。
    それから、大きな課題としては購入費用や設置費用などのコストの問題です。
    すべての車両に設置するとなれば、大きなコストがかかります。
    その莫大なコストを鉄道会社だけで、負担するのは限界があるでしょう。

    ここに文字を入力コスト面でも課題が残るのが現状です。

    AIとの組み合わせが実現すれば大きな抑止力となる可能性がある!

    結論から言えば、現状の防犯対策には多くの課題が残ります。
    そのため、犯罪の大きな抑止力となるかどうかは、大きな疑問です。
    ですが、AIとの組み合わせが実現すれば、より大きな抑止力となる可能性を秘めています。
    人間の目で、すべての車両を監視し続けるのは限界がありますが、AIを活用することで、
    AIが不審な人物の動きなどに対してアラーム通知することができれば、
    人間の負担や警備の負担を大きく軽減できるだけでなく、即座に事件の把握が可能となるでしょう。

    顔認証機能を搭載した防犯システムの導入には、利用者の理解が得られるのかが課題

    今後の対策として注目を集めているAIとの組み合わせによる防犯カメラの活用ですが、簡単に導入が進むかどうかは不透明です。
    AI技術のなかでもよく知られているのが、顔認証機能
    JR東日本では、2021年7月から防犯システムとして導入していたそうです。
    東京オリンピックやパラリンピック開催に伴い、テロ対策の一環として導入していたそうですが、
    利用者への十分な説明がなされていなかったことなどから、多くの批判を浴びることになり、見直しを迫られることになったのです。
    具体的には、あらかじめデータベースに登録していた顔情報と自動的に照合することで、
    指名手配中の容疑者、過去に重大な罪を犯した服役者(現在では検知対象者から除外)、不審な行動を取った人などを検知の対象としていたとのこと。
    検知した場合には、目視での確認や必要に応じて、声掛け、警察との連携による手荷物検査を行うようにしていたそうです。

    システムとしては、それほど悪いもののように思えませんが、多くの批判を浴びたのは、このような運用方針を利用者に通知していなかった点。
    利用者の理解を得るためには、運用方針についてきちんと説明する必要があると言えるでしょう。

    プライバシーの問題

    顔認証機能について、大きな問題となっているのが、プライバシーの問題です。
    通勤や通学で電車を利用しているだけなのに、自動的に自分の顔が記録される、
    あるいはデータベースと照合されてしまうのは、気持ちの良いものではありません。
    勝手に、顔を撮影されているのと同じ事ですから、個人情報保護などにも配慮してシステムを導入しなければならないのです。

    過去に参考になる記事を書いていますので合わせてお読みください。

    AI技術や新しい防犯対策については議論の必要がある

    まだまだ、電車内での防犯対策については多くの課題がありそうです。
    各鉄道会社だけで解決できる問題ではなく、警察やその他の機関等の連携、
    利用者などへの理解を得るためにも様々な議論の必要がありそうです。

    POINT

    イギリスやアメリカ、中国などは電車の中に当たり前のようにカメラが設置されています。

     

    現状の電車内の防犯対策には課題が多い!AIとの組み合わせに期待

    日本では、電車内で様々な凶悪事件が発生しています。
    そのため、新たな防犯対策として防犯カメラの設置が進められていますが、
    設置をするだけでは、犯罪の抑止力にならないとの声もあるのです。
    そこで、期待されているのがAIと防犯カメラの組み合わせ。
    ただし、簡単に導入できるものではなく、プライバシーの問題もあるため利用者の理解が十分に得られるかどうかが大きなポイントになりそうです。

    弊社のHPも併せてご覧ください!

    https://www.xn--lckxfya3648dydub.jp/

     

    <参照サイト>

    https://bit.ly/3tlmlxq

    https://bit.ly/3FjM0ZE

    pateTop