警察には防犯カメラ捜査を専門に行う部隊がある。愛知県警の「情報分析捜査課」について
事件や事故などが発生した場合、警察が事件解決や事故の原因について究明します。
我々のイメージとしては、警察官が周辺の聞き込みなどを行い、目撃者を探し出し犯人の特定、真相の究明を行うというもの。
もちろん、聞き込みなども行いますが、近年注目されているのが防犯カメラの映像を使った捜査です。
警察のなかには、専門の部隊も配置されています。
そのなかでも、よく知られているのが愛知県警の「情報分析捜査課」です。
どのような部隊なのか、警察が防犯カメラの映像を重要視するようになった背景について解説します。
なぜ、警察は情報分析を重要視するようになったのか?
今までの捜査では、警察官が現場周辺への聞き込みや、関係者への聞き込み、目撃者探しなどを行いそこから事件や事故の解決に導くのが主流でした。
しかし、事件が多様化していることや防犯カメラやドライブレコーダーが普及していることを背景に
防犯カメラの映像などの情報分析を重要視されるようになったと考えられます。
実際に、多くの事件解決にも役立っており、警視庁のデータによると、防犯カメラの映像などがきっかけとなり
犯人逮捕につながった件数は、2016年は約1万5000件、2018年は約2万1000件、2020年は約2万8000件と年々増加しているのです。
愛知県警「情報分析捜査課」とは?
2014年に愛知県警に誕生したのが、通称「情分」と呼ばれる、
防犯カメラ捜査を専門に行っている部隊、「情報分析捜査課」です。
街や店舗に設置されている映像分析を行うことで、様々な事件の解決、犯人逮捕に大きく貢献している部隊。
映像分析と聞くと、映像を見るだけで簡単と思ってしまう人もいるでしょうが、実はとてつもなく地道な作業の連続と言われています。
「リレー捜査」と呼ばれる捜査方法で、複数の場所に設置されているカメラの映像をつなぎあわせ捜査を行っているのです。
また、地道な作業であるだけでなく、次のような苦労もあると言われています。
必ずしも、捜査に役立つわけではなく、とにかく地道に犯人を追い詰めるという捜査を行っているそうです。
事件解決のために、毎日映像分析をされている警察官の方には本当に頭が下がります。
映像分析を行うことでどのようなメリットがあるのか
事件などが発生した場合、必ずしも目撃者がいるとは限りません。
目撃者がいない場合などに、重要となるのが映像分析です。次のようなメリットがあります。
街や店舗などに設置されている防犯カメラは、24時間365日稼働していることがほとんどです。
そのため、人通りの少ない時間帯や人通りの少ない場所でも防犯カメラに
犯行の瞬間や犯人の様子、人数などが記録されていることが多くなっています。
また、複数の映像を分析することで、犯行後、犯人がどこに逃げたのか、犯人の逃走経路を特定するのにも役立つのです。
その他にも、犯人の行動予測、犯行の手口などの解明などにも大きく貢献してくれます。
東京メトロ白金高輪駅の硫酸事件でもリレー捜査が大きく貢献
2021年8月に、東京メトロ白金高輪駅で男性が突然、男に硫酸をかけられる衝撃的な事件は記憶に新しいと思います。
この硫酸事件でも、映像分析を使ったリレー捜査が事件解決に大きく貢献したと言われているのです。
事件が起きたのは、東京都港区ですが、硫酸をかけた犯人の男は約1500キロも離れた沖縄県に逃亡しますが、発生から約86時間後に男を逮捕しました。
異例とも言えるスピード解決できたのは、リレー捜査だったそうで、警視庁では駅や街に設置されている防犯カメラ約250台の映像分析を行ったそうです。
このように、事件解決・犯人の特定にも防犯カメラは役立っています。
ただ分析するだけではない!経験や読みも重要!
愛知県警だけでなく、警視庁や全国の警察では事件の解決に防犯カメラの映像分析を行っています。
ただし、すべての映像を分析するとなると、もの凄く時間がかかりますし、
時間がかかる分だけ犯人は遠くに逃げてしまい、手掛かりを失ってしまうことにもなりかねません。
そのため、ただ分析をするだけではなく、これまでに培ってきた警察官としての経験、
犯人がどこに逃走するのかなどを読む力も重要となるようです。
過去に参考になる記事を書いていますので合わせてお読みください。
今後も捜査に活用される可能性が高い
凶悪事件も多発している日本では、今度も防犯カメラやドライブレコーダーなどの映像を使った捜査が展開されている可能性が高いと言えるでしょう。
プライバシーの問題などもありますが、防犯カメラの映像がきっかけで
事件が解決するケースも増えているいため今後も捜査に活用されると推測されます。
事件の早期解決には、防犯カメラの映像が重要となる
現在の警察捜査では、防犯カメラの映像が積極的に活用されています。
愛知県警には専門の部隊もありますし、警視庁やその他の警察でも
防犯カメラの映像がきっかけとなり多くの事件が解決、犯人逮捕に大きく貢献しているのです。
もちろん、映像だけではなく、警察官の方の経験や読みなども重要ですが、
今後も事件解決のために積極的に活用されることになるでしょう。
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