サーマルカメラは一般的な防犯カメラと違い、霧や煙が充満していても暗闇であってもしっかりと対象者の表面温度を検知することができます。
ただし、サーマルカメラを使用する際には注意しておきたいことがあることも知っておく必要性があります。
新型コロナウイルスの蔓延によって体表面温度を手軽に測定できることからサーマルカメラが注目されているので導入を検討しているところが増えていますが、認識を間違えていると思わぬ勘違いを生んでしまうかもしれません。
それでは、サーマルカメラを使用する時の注意点についてご説明しましょう。
【あくまで体表面温度を測定するだけ】
サーマルカメラによるサーモグラフィーは対象者の体表面温度を測定し、熱を持っているかそうでないかを検知します。
表面温度が赤くなっていれば対象者が熱を持っていることになり、青くなっていれば熱を持っていないということになるでしょう。
これは新型コロナウイルスの感染による発熱が判断できると思われるかもしれませんが、その認識は間違っています。
そもそもサーモグラフィーに映し出されるのはあくまで体表面温度で、対象者があhつ熱しているかどうかを検知するものではありません。
体表面温度は季節や環境の影響を受けやすいため、夏の暑い日は高気温によって体表面温度が上がって赤く表示されてもなんら不思議ではありませんし、冬の寒い日は一面真っ青になることもあります。
つまり、サーマルカメラをもってしても、確実に発熱しているかどうかを検知することはできないのです。
ただ、これが発熱を検知してくれるものとして全く役に立たないかと言えば、そういうわけでもありません。
発熱していると言うことは自然と体表面温度も上がってくるので、サーマルカメラで赤く表示される対象者がいたら新型コロナウイルスによって発熱している可能性があるものとして対策しましょう。
【もしも発熱が検知されたらどうすればいい?】
サーマルカメラによって体表面温度が高い人が発見された場合、まずは落ち着いて行動しましょう。
サーマルカメラはあくまで体表面温度を検知するものですが、眼鏡やマスク、サングラスなどを着用している場合はそれらの体表面温度まで検知してしまうため、それらを外した状態で測定すると赤くなっていないということも十分にあります。
特におでこは発熱を検知しやすいので、最低でもおでこを出してもらってから測定しましょう。
また、もう一つ気を付けたいのは、測定環境を一定に保つことです。
サーマルカメラの測定が当てにならないというわけではありませんが、どうしても距離や角度、季節や環境の影響を受けやすいので発熱を伴っているのに赤くなっていない、もしくは発熱していないのに赤くなっていることもあります。
最低でもサーマルカメラを固定し、一定の距離間で対象者を測定できるようにするのが望ましいでしょう。
サーマルカメラは設置タイプがあるので測定環境を整えやすいですが、ハンディタイプのサーマルカメラは測定環境を整えた上で再度測定する必要性があるでしょう。
【まとめ】
サーマルカメラは誤差範囲が非常に狭く、測定環境が整っていれば安定した測定結果が得られるでしょう。
しかし、サーマルカメラはあくまで体表面温度を測定するものなので、対象者が発熱しているかどうかは確実に判別できるものではありません。
また、測定環境が一定でないと距離や角度、季節や環境などの影響で誤差範囲が大きく広がってしまうため、測定環境を一定化させることも大切です。
新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐためにも、サーマルカメラの導入を検討してみてはいかがでしょうか。